英語は道具にすぎない。道具を使いこなすために・・・・・
戦略分析・立案能力を高める統合英語訓練
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戦略分析・立案訓練ステップ
ウェブ・セミナーサイトマップにある準備パート2の正規分布と成長曲線の応用は必ず読んでください。
回帰直線9点一筆書きは説明を読んで、意味を十分理解してください。
アメリカの経済復興シナリオと戦略予測(日本語)にアクセスしてください。
予測シナリオが訓練の材料です。
英文記事を日本語で要約します。
リンク記事を読んで考えてください。その情報(ドット)が予想(回帰直線)を裏付けるものか、無関係か?あるいは予測シナリが誤りか?
戦略分析・立案は不確実性に対する決断(度胸)の集積結果です。ブログ・コメント欄に反論、異論を書くのも訓練になると思います。

 Sec 2-1-1 G.M.の国有化は成功する

G.M.一次国有化のオバマ政権の目的は非常に明確です。つぎ込んだ税金を如何に短期間で回収するか、この一点にあります。もちろん最終目的はアメリカの自動車産業を生まれ変わらせ、重要な産業であり続けさせるためですが、それには時間がかかります。
短期の税金回収に失敗すれば、その先、大統領の採りうる選択肢は極端に狭くなります。6ヶ月から18ヶ月の間に政府が持つ60%の株式をできるだけ高値で売らなければならない、これがまず最初の目的です。これに失敗したら今後3年半も、次の4年間もどうなるか分かりません。絶対に失敗できない試金石です。オバマ大統領のG.M.再建は成功します。失敗などしません!
大見得を切りました。2009年7月6日アップのDiscussionに書いたことです。
Discussion その1を丁寧に読んでください。それが、あなたが判断する予測です。

第一回 2009年10月2日アップ
オバマ大統領が一時国有化したG.M.は、トヨタとの合弁NUMIIから撤退しました。トヨタは来年3月で工場閉鎖を決定しました。この決定が正しい決断かどうか・・・
トヨタの信頼を失墜させるかのようなトラブルが、続発しています。関係があるのだろうか?
2009年9月29日 Toyota Recalls 3.8 Million Vehicles 
「フロアーマットがアクセルペダルに引っかかり、アクセルを踏んでいないのにスピードが上がる」連邦交通安全局から警報を出した。カムリ(2007−2010年モデル)からプリウス(2004年ー2009年モデル)までトヨタの大部分の車種が該当する。トヨタは火曜日、380万台のリコールを行う計画と発表した。
2009 年8月28日 Decision to Close Plant CastsToyota in Unfamiliar Role
「人気車種カローラや小型ピックアップの生産工場閉鎖によって4万人もの人が職を失う」、カリフォルニア当局は言う。米国自動車労働組合(U.A.W.)は、アメリカ政府の中古車買い替え助成金のお陰で売り上げが伸びたカローラの生産をカナダと日本に移して従業員を見捨てるのは冷淡極まりないと批判する。
G.M.の撤退がもともとの原因であるが、労働組合も優遇措置を提案して閉鎖を避けようとしたカリフォルニア州も一切G.M.のことは言わず、怒りの矛先はトヨタに向けられている。
カリフォルニア大バークレーで労働専門のシャイケン教授は、「この不景気の真っ只中での工場閉鎖決断は政治的にされるべきだが、彼らはビジネス面からのみ決定した。これは今後トヨタがもっと考えなければならない幕開けだ。」と語った。
2009年8月26日 Toyota Tops List of Cash-for-Clunkers Winners
不況対策として7月から一ヶ月間続いた中古車買い替え期間に総額約2900億円のバウチャーが発行され、69万台の新車が購入された。トヨタはそのうち19%を占めるトップとなり、上位3車種の二つもトヨタ車であった。
一ヶ月前、もっとも人気があったトヨタ車。そして、今380万台のリコール騒ぎ。
リコールの対象はプリウスは2004年モデルから、カムリは2007年モデルから。問題は今に始まった訳ではありません。トヨタが散発した問題に適切な対処をしなかったとも考えにくいことです。マットが純正でないと今頃トヨタが言うのも不思議です。
策略?などと思いたくはありませんが、少なくとも”品質のトヨタ”の評判が地に落ちたことだけは確かのようです。
と言いますのは、
Nummi工場閉鎖されるだろうという2009年7月24日の記事そのものもそこに寄せられた読者の声もそれほど厳しいものではありませんでした。
Toyota Winds Down Nummi Plant

しかしトヨタの元弁護士が「会社に対する製造物責任訴訟の書類を隠していた」と申し立てを報道した2009年8月31日の記事に対する読者の投稿数は少ないですが、トヨタに辛らつです。
Toyota Accused of Concealing Evidence in Rollover Lawsuits

バークレーのシャイケン教授の予言どおりになってしまったというのが率直な思いです。
トヨタの地盤沈下は、アメリカのメーカーにとって有利に作用することになります。

そこで、皆さんにお考えいただきたい質問です。

トヨタの380万台リコール問題は、G.M.一次国有化を成功させるためのオバマ大統領の戦略と何か関係があると思いますか?それとも単なる偶発的な事故でしょうか?

非常に複雑な思いがします。
私は、トヨタはNUMIIを閉鎖しないと考えていました。トヨタが閉鎖すると言っても日本政府が押し留め
るだろうと。

2009年7月13日アップ(G.M.再建戦略2)をお読みいただきたいのですが、そのDiscussion:その2
す。
「トヨタは、Nummiに関して進むにしても退くにしても大変な苦労になりそうです。トヨタの決断には
政治が関与すると思います。アメリカ政府から日本政府に必ず話があるはずですが、話の中身が表に
出ることはけっしてないでしょう。」と書きました。


日本政府には、何らかのルートを通した話はあったと思います。選挙の真っ只中で何もできなかったの
か、私企業のことだからと軽く受け止めたのか・・・。

アメリカからの話がなくても日本政府がトヨタに何か言ったかどうか分かりません。
逆に、トヨタからこの件で経済産業省か外務省に相談したということはなかったと思います。というの
は、7月に私の知り合いがトヨタの超トップとお会いしたとき、「あれは閉鎖」と言下に答えたそうです。

シャイケン教授の指摘どおり、純粋に経済面で考え非常に早い時点で結論が出ていたのでしょう。

ビッグスリーの救済によって、自動車はもう私企業でどうにかできる段階を超えて
しまった
と見るべきです。ビッグスリーの問題は、日本の自動車メーカの存続の問題
になってしまったということです。他人事ではないのです。日本政府にそんな見
方をしている人がいるのでしょうか?不安になります。(
2009年1月25日「オバマ新政権
対日本」(読売新聞)-2
より

オバマ大統領の引き出しには沢山の打つ手が入っている。G.M.一次国有化を成功させるためにはあ
らゆる手段を使ってくる。トヨタがNUMIIを閉鎖しなければ、トヨタにも損のない何らかの手を打つ、閉鎖
すればそれに見合う手を打ってくる。


自動車産業の凋落はもっと続きます。クルーグマン博士のように弁解しながらですが、米国もEUも
確実に保護主義になっていきます。どこだって、自国の産業を守るだけで精一杯。日本の自動車の海
外マーケットがなくなるのですよ。何と700万台分。細かい数字は違っているかもしれませんが、気に
しない。国内マーケットは350万台ぐらいですから、その倍がなくなる。

ここで、しっかり理解しなければならないことはですね、国会議員さん!この問題はいくら企業が努
力したって解決できない
ということです。

国対国の力勝負、知恵比べ、戦略とその実行スピード、世界に対する大義名分!

これは、同じくG.M.再建戦略2のDiscussionの最後の部分で述べたものです。
オバマ大統領のG.M.の国有化に対して、ドイツのメルケル首相は、自動車産業が政府の仕事ではな
いと言いました。日本の大臣からも似たような発言がありました。これはとんでもない勘違いです。自
由経済だから政府が私企業にあまり深く関与してはならないという原則論を言っているだけです。失業
率は増える、景気は後退する、経済基盤が揺らいでいる状態に原則論は通用しません。まして、世界
一のGDP国が私企業を一時的にせよ国有化してしまった。それがいいとか悪いという話をしてもはじ
まりません。私企業が闘う土俵が変ってしまったのです。


偶発事故であったとしても、このままではアメリカでのトヨタの将来はないと思います。
中古車買い替え助成金は一台あたり平均40万円程度です。ざっと計算しても500億円以上のアメリカ
人の税金がトヨタ車の購買に使われました。NUMIIを閉鎖して4万人のアメリカ人従業員を放り投げるト
ヨタの非情さを必要以上に喧伝する材料に使われるでしょう。そして、訴訟書類隠匿という企業倫理の
問題です。この真偽のほどは分かりません。しかし、トヨタ締め出しには格好の材料です。しかも、この
企業倫理は安全性に関するものでユニバーサルな問題です。


トヨタは日本にとって大事な企業です。豊田章夫新社長の正念場というようなメディア記事もあります
が、そんな問題ではありません。日本の自動車産業全体の問題であり、日本経済に直接影響する問
題です。つまり政治の問題になってしまったということです。


どうすれば良いのか?

今更、NUMIIを閉鎖しないと言っても遅すぎます。打つ手はきっとあると思いますが、いずれにしても日
本政府も真剣に考えなければならないことだけは確かです。

オバマ大統領の自動車産業復興のシナリオと戦略さえきちんと読んでいればNUMIIの閉鎖決断はな
かったと思いますが、後の祭り。


しかし、過去を悔いてもしようがありません。トヨタを応援しようではありませんか。