ドラッカー教授の残した宿題に応える戦略思考メソッド
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戦略分析・立案訓練ステップ

ウェブ・セミナーサイトマップにある準備パート2の正規分布と成長曲線の応用は必ず読んでください。
回帰直線9点一筆書きは説明を読んで、意味を十分理解してください。
アメリカの経済復興シナリオと戦略予測(日本語)にアクセスしてください。
予測シナリオが訓練の材料です。
英文記事を日本語で要約します。
リンク記事を読んで考えてください。その情報(ドット)が予想(回帰直線)を裏付けるものか、無関係か?あるいは予想そのものがは誤りか?
戦略分析・立案は不確実性に対する決断(度胸)の集積結果です。ブログ・コメント欄に反論、異論を書くのも訓練になると思います。

 Sec 2-2-3 EPA規制はシナリオの鍵

予想シナリオはこの判決(2−2−1)をオバマ大統領の経済復興シナリオの鍵、9点一筆書きの枠外においた一点(2−2−2)と見ました。
一昨日からCOP15(IPCCーコペンハーゲン)がはじまっています。シナリオの鍵とした断定が合っているのかどうか、検証してください。
(2009.12.09 Up)

December 7, 2009
Greenhouse Gases Imperil Health, E.P.A. Announces

コペンハーゲンの開催当日、アメリカ環境庁(E.P.A.)は、温室効果ガスが人の健康と環境を危険にさらすものと最終判定を下し、車両、発電所、工場、石油精製所および他の主要な排出源を規制する法的根拠を明らかにした。
2007年最高裁が炭酸ガスと他の5つの温室効果ガスが人体に影響するかどうか科学的に検証し、それが事実なら規制する方法を探るよう要求したことを受けて環境庁は科学的な検討を行ってきたこと。その結果、地球は温暖化の方向にあり、我々が行動を起こさなければ何時どのようにその被害が起こるかについて論争はあるが、脅威自体は事実であるとした。

産業界は、規制は経済に大きな影響を及ぼすと反対し、環境保護団体は歓迎している。最近のEメール事件によって気候変動科学の信頼性が揺らいでいるとの質問に対しても環境庁の判断は揺るがないと明言した。
政権は、環境庁の判断を議会の気候変動法案成立を促すために使うつもりで、このような重大な問題は議会が主導すべきとしながらも、法案が成立しなくても、環境庁の規制を適用する意向である。

産業界が異議申し立て裁判を起こす可能性もあり、その場合には実施が数年遅れることになる。また、今回の環境庁の発表は、コペンハーゲンの舞台装置に過ぎず、実効はないという見方もある。

December 7, 2009
The Endangerment Finding
産業界は、環境庁の規制はトップダウンの指揮統制と激しく非難しており、また下院の気候変動法案は環境庁による規制を認めないこととなっているが、これは完全に誤った解釈である。最高裁の判決によって環境庁が排出を規制する権限を与えられているもので、議会を動かすこともできるし、議会が動かなければ環境庁が歯止めになる、つまり、最上位にあるという論説記事。

December 8, 2009
No Slowdown of Global Warming, Agency Says
(記事の後半部分のみの要約)
欧州委員会は、アメリカ環境庁が炭酸ガス排出に制限を加える方法を整えたことを歓迎している。温室効果ガスを人体と環境に危害を与えるものとする環境庁の判断は、オバマ政権が本気で気候変動のリーダーシップを取るシグナルと捉えたからだ。
環境庁の規制は、アメリカが現在公表した2020年までに2005年レベルから17%削減以上のことができるということの表れではないかとスエーデンの環境大臣は期待している。
このような希望が急激に膨らんでいるのは、アメリカ議会が排出削減の包括的法案にもたついていても、この環境庁の規制によって会議の最終日に出席するオバマ大統領が温室効果ガスの排出削減をより積極的に確約できるという見方のためである。


予測どおりなどと言うものではありません。
最初の記事には、オバマ政権発足と同時に逆転判決に沿った検討の指示があったことが出ています。これを明らかにしたのは今回が初めてです。
さらに、このEPA規制が優先すると気づいた論説も、これが初めてです。

戦略は、明らかにしても不利にならない状況ができるまでは絶対に明らかにしない。つまり、現在は明らかにして良い状況になったということです。

しかし、それにしてもいかにもアメリカが好むドラマティックというか大げさというか、千両役者が桧舞台に出てくるような演出と思いませんか?・・・ちょっと嫌味に感じるのは私だけでしょうか?

問題はここからです。

昨年7月11日、米連邦控訴裁判所は、石炭を使用する発電所から生じる有害物質および炭酸ガスに対する米国環境庁の規制が環境庁の権限を超えた著しく不当なものと結論付け、環境庁はこの判決に異議を申し立てていました。2週間前の12月23日、7月の判決を覆す結果となりました。そこでお尋ねいたします。

この判決をご存知でしょうか?(外務省からの外事短信にはあったはずです。)
この逆転判決の意味することをお考えになったでしょうか?

この逆転判決の一週間前、12月15日にオバマ政権の環境・エネルギー閣僚が発表されました。裁判所は規制に法的な不備はあるとしながらも、“ないよりはあったほうがまし”という裁判所らしからぬ理由によるこの逆転判決は、オバマ新政権の地球温暖化政策、環境政策が就任後直ちに遂行されるようにするためと受け取るのが自然です。

そして、ここにオバマ政権の経済基本政策、そして対中国政策が明確に浮かび上がってくることを見逃していらっしゃいませんか?というのが質問の趣旨です。
これは直接、今後の日本産業の方向に大きな影響を与えます。ここを見誤ると金融危機の中での日本戦略、特に対米戦略を間違うことになります。金融危機はあっという間にトヨタすら地獄に落とすスピードです。先生のお考えになる、そして行動するスピードが日本の死命を制します。この点をくれぐれもご認識いただきたく存じます。

これは、2009年1月8日に140名ほどの国会議員に送ったEメールのさわりの部分す。

このメールに次の文言のブログも紹介しました。ブログは2009年1月7日
米国がIPCCの主導権を採ろうとする。世界の支持を受けることになります。表面上は。地球温暖化と戦う、気候変動に備える。立派な大義名分です。

自国への影響を口実に中国に対して汚染物質排出を責めることができます。中国の経済成長の原動力は石炭!
アメリカは今度の逆転判決で自国の石炭による火力発電を犠牲にする姿勢を示したことになりますから、いくらでも強く出ることができます。アメリカ、大いばり!アメリカの正義!気候変動は格好の材料です。誰も反対できない。

そこにどんな政治が絡むか分かりません。中国から外貨準備金をむしり取る。中国の石炭使用を責めすぎない条件に・・・?中国は飲む?中国産業を守るために・・・。
米国の省エネ、新エネルギー技術は進歩します。中国は米国の技術が完成するまで石炭を燃やし続けられます。日本の省エネ技術・省資源技術の出る幕がなくなります。日本の新しい削減枠組み提案、セクター別は正しいことですが、ガーナのIPCCでも各国の反対に会いました。コペンハーゲン(2009年12月)議定書にも採用されることはないでしょう。

日本の世界に誇る立派な技術が塩漬けになる。出口がない!
経済産業省の大綱にある「日本を世界の研究開発拠点に!」も吹っ飛ぶ。

このブログのMaroon部分と次のオバマ大統領の訪中総括の引用文を重ね合わせてください。
電気自動車には明らかにアメリカの意図を感じます。G.M.を一時国有化し、来年Volt(電気に近いハイブリッド車)を市場に出します。中国も2012年に電気自動車を出す企業があるようですが、年間1200万台の中国市場をアメリカが狙っているのは間違いありません。嫌でも日本車に影響が出てきます。

再生可能エネルギーでは、アメリカと中国の国土の大きさから両国が普及させればコスト低減になるので世界に寄与すると言います。中国のレアメタルの確保状況から判断すれば、アメリカの弱点を補うためかもしれません。これも、日本に大きな影響を与えることになるでしょう。

一方、中国を抑制する仕掛けもあります。第4のアメリカ環境庁との協力関係です。アメリカ環境庁は温室効果ガスを人体と環境に悪影響を与える大気汚染物質に認定した世界で唯一の国です。自動車の排ガスには今年5月に基準値が設けられ、現在火力発電所からの炭酸ガス排出基準値のヒアリングが行われています。これが、中国にどんな影響を与えることになるのか。この協力がどこまで展開するのか予測できませんが、アメリカ環境庁の世界一きびしい基準が、水、廃棄物処理等広範なものに広がることにでもなれば、中国の社会コストは一気に増大します。

そこで、質問です。
日本政府が、2009年1月7日の時点でも、その前の年12月23日の逆転判決が出た時点でも、いち早くオバマ政権の戦略を読んだとしたら、日本の戦略に何かの違いが出ただろうかということです。

私は、日本がセクター別の削減枠組み提案をしていたのは知っています。日本の省エネ技術、特に鉄鋼とセメントはねらい目ですから、戦略が見えやすいものでした。しかし、それはガーナ・アクラでの作業部会で海外の強い反対で簡単に潰されました。その後どんな戦略なのかよく分かりません。

ビジネスから見て、アメリカの戦略はお手本です。日本のリニアなプローチに対して先に出口を押さえるやり方です。しかも、スケールがでかい。感心ばかりしてられません。

競合の戦略を読みきることの重要性はお分かりいただけますか?
強い国の戦略を読めば、こちらの選択肢が広がります。国益を拡大することになるのです。今からでも遅くないと思います。中国だって、アメリカにやられっぱなしでは面白くないでしょう。そこに付け入る隙があるかもしれませんし、また、アメリカに同調して上前を撥ねるやり方もあるかもしれません。

これまで、オバマ政権の邪魔になってはいけないという気持ちもあって、遠まわしにしか書いてこなかったのですが、ここまではっきりすればもういいだろうと思うのと、悔しくて腹が立つので、一昨日ニューヨークタイムズに投稿しました。オバマ政権を応援する形ですが、オバマ戦略はお見通しというデモンストレーションです。ただ、投稿の最後になってしまったので、残念ながら読んだ人はいないと思います・・・。英作文の訓練の参考か批判かになればと思います。